今年の大学卒業生の就職率は、大変な落ち込みになっています。2008年秋のリーマンショック以降続いている不況の影響が、今も色濃く残っている格好で、全体の就職率は74.4%。昨年の81.8%よりもさらに落ちています。また、理系と文系で見ると、理系は平均79・9%なのに比べ、事務系の採用が大きく減っため文系が72・4%と大きく落ち込んでいます。
このような厳しい就職状況の中、就職率の良い学部と悪い学部がハッキリと分かれました。薬学部は、とても就職率の良い学部になっています。
理系就職率のトップは、大阪薬科大学の薬学部(99%)。薬学部は、5年前に薬剤師国家試験の受験資格を得るための修業年限が4年から6年に伸びましたが、今年はまだ、その卒業生はいません。4年コースの学科がある薬学部だけの就職率になります。
薬学部は最近、全体的に高い就職率で、2007年は87・4%、2008年87・0%、2009年89・7%と推移。今年は72・2%に終わっていますが、これは、今年の4年コースの学科では薬剤師資格が取れていないので、やや就職率が下がったとみられています。
理系就職率ベスト20(東洋経済新報社より)
1.岡山県立大学 情報工学部 100%
2.新潟薬科大学 薬学部 98.8%
3.九州保健福祉大学 薬学部 98.6%
4.静岡大学 情報学部 98.5%
5.名古屋学芸大学 管理栄養学部 98.1%
6.大阪薬科大学 薬学部 98.0%
7.神戸薬科大学 薬学部 97.7%
8.富山県立大学 工学部 97.6%
8.秋田県立大学 生物資源科 97.6%
8.会津大学 コンピュータ理工学部 97.6%
11.新潟大学 農学部 97.5%
12.愛知工業大学 工学部 97.4%
13.明治薬科大学 薬学部 97.3%
岡山大学 環境理工学部 97.3%
県立広島大学 保健福祉学部 97.3%
16.近畿大学 工学部 97.1%
山梨大学 工学部 97.1%
東北薬科大学 薬学部 97.1%
19.近畿大学 産業理工学部 96.8%
石川県立大学 生物資源環境学部 96.8%
それ以外にも、
25.東京薬科大学 薬学部 96.2%
27.就実大学 薬学部 96.1%
30.千葉科学大学 薬学部 95.9%
星薬科大学 薬学部 95.9%
48.昭和薬科大学 薬学部 94.7%
51.北里大学 薬学部 94.4%
理系のベスト100は、私立大学薬学部と公立大学の理工系学部がほとんどです。が、ここ数年で薬学部が増えたこと、6年制になって学費が2年分増えたことなどから薬学部受験生の数はあまり増えていません。
来年・再来年は、制度が変わったため薬剤師の資格のある薬学部卒業生がいないので、空白の年となります。その後の就職はまた、好調になるかもしれないことが予想されます。